ANAがLCCでピーチを子会社化 考えられるメリットとデメリット
SPONSORED LINK
ANAが格安航空会社のPeachをを連結子会社化する方針を固めたというニュースです。
元々ANAとピーチは資本関係がありましたが、ANAホールディングスが株を買い増しして保有比率を67%まで上げるようです。
これによって、ANAとピーチの関係は今とは少し変わり、ピーチの戦略や利便性などに影響がありそうです。
SPONSORED LINK
ANAに2つの子会社LCC
現在のPeachの株式保有割合は、ANAが約39%、香港の投資会社が約33%、産業革新機構が約28%になっています。
報道では、ANAが両者の保有する株式の半分程度を取得して、株式保有割合を約67%まで高めるということです。
これによって、PeachはANAの連結子会社になり、ANAの子会社に「バニラエア」と合わせて2つのLCCが誕生することになります。
ANAがPeachを子会社化する狙いは、急成長しているPeachを取り込むことで収益力を強化したい思惑があるようです。
たしかに時代はフルキャリアサービスよりも、格安で利用できるLCCがグ~ンと伸びてきているのは間違いありません。
特に訪日観光客にとっては、首都圏など大都市近郊以外はフルキャリアサービスがあまり就航していないのもありますし、潜在的な需要はまだまだ大きそうです。
Peachは設立当初からあえて連結子会社化しなかった
PeachはANAと資本関係がありましたが、ANAの株式保有割合は3割り程度で微妙な関係でした。
「なぜANAの連結子会社でないのか?」
という問いには、Peachの井上社長が講演などで次のように語っています。
母体となるエアラインの連結子会社になると、どうしてもやり方が似通ってくる。その結果失敗したLCCは実に多い。
連結子会社化ということであれば、親会社の意向も聞くことがより必要だし、自由な経営ができないというのもあるでしょう。
今後は、ANAの意向もPeachは聞く必要がより出てくることになるでしょう。
ただ、ANAとすれば手薄な首都圏空港以外の航空需要を傘下のLCC2つで充実させるここともできます。
となると、Peachの路線計画の流れなどは、今とあまり変わらないのではないでしょうか。
先日もPeachは成田空港からの札幌千歳と沖縄を結ぶ路線から撤退するというニュースがありました。
今後も関西空港をメイン拠点として、その他沖縄などをハブ空港として活用していこうという戦略は踏襲するのかなと予想しています。
訪日旅行客が全国くまなく訪れるような現状を見るとね。
アジアから沖縄に行きたいのに、いったん東京へ飛んでから沖縄へなんて誰もしたくないでしょう? マイルを稼ぐ目的以外は。
Peachになくバニラエアにあるもの
Peachになくバニラエアにあるもので、最も大きな違いはANAマイルの「バニラエア特典」です。
ANAの貯まったマイルでバニラエアの無料特典航空券を発券できますが、Peachはありません。
これは、バニラエアはANAの全額出資のLCCと単なる筆頭株主であるLCCの違いもあるでしょう。
では、今後はPeachがANAの連結子会社化することで、「ピーチ特典」はできるのでしょうか?
「ピーチ特典」ができる可能性はあまり高くないのではないかと思われます。
なぜなら、「バニラ特典」ができた背景は、エアアジアジャパンから引き継いだバニラエアの不振があったからです。
バニラエア不振の解決の一つとして、バニラ特典を導入し知名度を上げようという戦略があったと言われています。
一方、Peachはどうでしょう?
日本のLCCとしては業績も一番良好ですし、最も知名度の高いLCCともいるでしょう。
となれば、そもそも「ピーチ特典」を設定する必要性も少なそうな気がします。
それに特典航空券をLCCに使うのは、あまりお得じゃないと思っている人も多いでしょうから。
かなりの必要マイル数が減るのなら分かるのですが、バニラ特典を見てもそれほど必要マイル数の違いはないですからね。
関西国際空港からANAの国際線は手薄なので、ピーチで特典航空券が利用できれば利便性が上がるという考えもできますが。
しかし、ANAの特典航空券は国際線でも国内区間を含むことができるので、どうせ利用するならフルキャリアサービスが良いかなと考える人も多のではないでしょうか。
ANA特典航空券の「ピーチ特典」はできないかもしれないし、できたとしてもあまり大きなメリットはなさそうです。
PeachがANAの連結子会社になっても、あまり大きなメリットはなさそうです。
ただ、ANAの経営資源などが使えたりで、今以上にコストダウンをはかれる可能性はあります。
コストダウンができれば、運賃にも跳ね返り、より安価で提供できるということも考えられます。