プロ野球 打てる捕手より守れる捕手が大事? 過去と最近の捕手事情
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プロ野球では、近年「打てる捕手」の不在がクローズアップされています。最近で目立ったといえば、巨人の阿部慎之助。侍ジャパンの4番を打つほどの選手でしたからね。
しかし、その阿部も一塁にコンバートされたり、今季は不調のために2軍での調整になっています。全盛期の阿部と比べると、それだけ打つのはなかなか難しいでしょうが、それでも捕手の貧打が最近はちょっと目立ちますね。
今回は、プロ野球の捕手事情について。過去と最近の捕手事情について、いろいろ調べてみました。
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近年はそもそも捕手の人材不足
近年は各球団とも捕手の人材不足という状況になっています。なかなか正捕手を固定できないようなシーズンを続ける球団もあります。
たとえば阪神タイガースです。もう長い間正捕手を固定できないような状況が続いています。また毎年のようにドラフトで新人を補強したり、他球団からトレードで獲得していますが、イマイチパッとしません。
メジャーリーグから城島を獲得したのは、良かったのですが前年に狩野が育ちかけていただけに、あのまま城島を獲得せずに、そのまま使い続けていたなら、もしかして「打てる捕手」として正捕手に定着していたのかもしれません。
それでは、今シーズンの捕手の打撃成績はどうなのでしょうか?こちらのニュースでも取り上げられています。
まだシーズン序盤のために、今後1年を通して打てるかどうかが大事ですが、現時点での成績です。まずセ・リーグ。
杉山翔大(中日)
今季成績:19試合 打率.340 1本塁打 10打点 OPS.935
中村悠平(ヤクルト)
今季成績:30試合 打率.242 2本塁打 16打点 OPS.697
会沢翼(広島)
今季成績:18試合 打率240 2本塁打 9打点 OPS.709
戸柱恭孝(DeNA)
今季成績:27試合 打率.216 1本塁打 3打点 OPS.511
岡﨑太一(阪神)
今季成績:18試合 打率200 0本塁打 4打点 OPS.539
小林誠司(巨人)
今季成績:29試合 打率198 0本塁打 10打点 OPS.520
セントラル・リーグでは、巨人の小林やヤクルトの中村が開幕からずっとマスクをかぶってレギュラーに定着しています。DeNAの戸柱もほぼ定着という感じでしょうか。
その他の球団は、捕手を交替で使うという感じになっています。打率では、中日の杉山がかなり良いですね。規定打席には達していないでしょうが、試合に出続ければどうなるのかは気になるところです。
打率やOPSがそれほど良くなくても、チャンスに打てれば印象も違います。捕手は下位打線を打つ場合が多いですが(だって打てる捕手が少ないから)、下位打線で得点が取れると大きいですからね。
そうなると、ヤクルトの中村は16打点でホームランも2本で、「打てる捕手」とまではいかないかもしれませんが、まずまずの成績です。
次にパ・リーグです。
鶴岡慎也(ソフトバンク)
今季成績:18試合 打率.318 0本塁打 3打点 OPS.784
嶋基宏(楽天)
今季成績:26試合 打率.270 1本塁打 8打点 OPS.791
炭谷銀仁朗(西武)
今季成績:27試合 打率.241 0本塁打 3打点 OPS.525
大野奨太(日本ハム)
今季成績:20試合 打率.217 1本塁打 3打点 OPS.638
田村龍弘(ロッテ)
今季成績:28試合 打率.194 0本塁打 9打点 OPS.562
山崎勝己(オリックス
今季成績:20試合 打率.135 0本塁打 0打点 OPS.320
パ・リーグは、楽天の嶋の安定した成績が目立ちますね。侍ジャパンの選手でFA宣言をすれば争奪戦になると言われたほどの逸材ですからね。
またソフトバンクの今季の打率は今のところは良いですね。ただ過去2年は、2割にも満たない打撃成績で、打てる捕手という印象はありません。
捕手は打つことよりも守りが大事?
捕手は打つことよりも守りが大事かどうかは意見が分かれるところです。ただ、最低限の守りのレベルは要求されるポジションです。
だって、パスボールが多かったり、肩が弱くて盗塁され放題なら、いくら打撃が良くても使えないですからね。
点を取っても、それ以上に得点を取られれば試合に勝てません。キャッチャーはまず、守れることが大事です。さらに投手をリードする重要な役目もあります。配給など経験が大事なポジションなので、我慢強く使い続けることが大事です。
ちなみに昨年2015年度に規定打席に到達できたのは、ヤクルトの中村と西武の炭谷だけです。各球団とも、ケガの影響などもありますが、なかなか捕手が固定できません。
また、昨年打率.250を超えた主な捕手は、オリックスの伊藤のみという感じで、打てる捕手が不在という印象が強いですね。
こちらの記事では、捕手の打撃成績を10年前と20年前の例をだし、比較しています。
過去と最近の捕手の打撃成績の違いは?
過去は、今のように打てる捕手がいないという感じではなかったのでしょうか?それとも、一部の選手だけが目立って打ってるような状況だったのでしょうか?
2005年では、規定打席に達した選手が、城島、矢野、谷繁、相川、阿部と5人もいました。またロッテの里崎とあわせて印象に残る打者がたくさんいました。
主な選手の打撃成績です。
- 里崎智也(ロッテ)打率.303/10本塁打/52打点
- 城島健司(ソフトバンク)打率.309/24本塁打/57打点
- 矢野輝弘(阪神)打率.271/19本塁打/71打点
- 谷繁元信(中日)打率.234/14本塁打/65打点
- 相川亮二(横浜)打率.259/8本塁打/46打点
- 阿部慎之助(巨人)打率.300/26本塁打/86打点
打率3割を超えている選手が3人もいます。またホームランも量産している選手も多いですね。どの選手も今の選手と比べると、間違いなく「打てる捕手」になりますね。
続いて1995年です。規定打席を超えたのは、古田と関川だけですが、打撃成績は今よりもずっと良いですね。
特にヤクルトの監督経験もある古田は首位打者も獲得して、打てる捕手としてイメージを抱く人も多いですね。しかも野村監督に鍛え上げられ、リードも良いわけですからね。
今仮に現役で活躍していたとしてFAでもすれば、各球団の争奪戦が凄まじいことになっていたでしょう。近年は守りを重視するのか、捕手の負担が大きいのか、過去と比べると「打てる捕手」の不在は間違いないかもしれませんね。