訪日外国人旅行客の流れは多様に 東京その他地方という考えはもう古いかも
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訪日外国人旅行客がますます増えています。5月18日に発表された4月の訪日外国人旅行客数は、200万人を超え、単月として過去最高を更新しました。
中国経済の減速などで、いわゆる爆買は少し落ち着きをみせつつありますが、日本へ訪れる外国人はますます増えそうな状況です。
また、訪日外国人旅行客の行き先が、ますます多様になり、日本人が訪れることが少ない場所にも外国人の姿が目立ちます。
今でのような東京その他地方という考えでは、せっかくの商機を逃してしまうかもしれませんよ。
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訪日旅行客は地域を限定して観光する傾向
こちらの記事では、訪日外国人旅行客は、1つの地域にルートを限定して観光する傾向があることを指摘しています。
1つの地域にルートを限定して観光する根拠は、大半の都道府県で入国と出国が同じ空港を利用している点にあります。
一部のマスコミ報道によると、外国人観光客は東京だけを観光したり、東京から富士山を見て、京都や大阪をめぐるいわゆる「ゴールデンルート」を観光するイメージがあるかもしれません。
確かに短期間で効率よく旅行をしたいという日本が初めての旅行客には人気があるかもしれません。
しかし、現在の訪日外国人旅行客数の増加は、日本が初めてという旅行者も多いですが、日本に過去訪問したことがあるリピーターの多さも要因です。
リピーターはゴールデンルートなんて観光は基本はしません。
前回とは違った場所を訪問したり、前回訪れた場所で、もっとディープな場所に行ったりします。
日本人だって同じだと思います。アメリカを観光するのに、一度NY、ワシントン、ボストン、サンフランシスコをサクッと観光した人が、再び同じルートを観光するでしょうか?
また、もし東京近郊ばかり観光をするなら、成田・羽田だけが以上に高い伸びを示すはずですが、関西空港や中部空港は外国人旅行者の伸び率は成田より高くなっています。
関西や中部だけでなく、多くの国際線のある地方空港でも新規就航や増便が相次いでいるのもそれだけニーズがあるからでしょう。
ゴールデンルートが異常に人気があれば、ゴールデンルートに該当する都道府県では、入国と出国の空港が異なるような結果も見られるはずです。
記事にも指摘されているように、成田に降り立った訪日客は、東京近郊をメインとした観光をして、関西国際空港に降りた訪日客は、大阪・京都を主に観光し、入国時に利用した空港から出国していると考えるのが自然です。
そして、羽田や成田だけが突出して高い伸び率を示しているわけでなく、関西空港はさらに高い伸び率を示したり、その他の主要な空港例えば、新千歳や中部、福岡、沖縄なども外国人は増えています。
リピーターが増えればますます行き先は多様化する
日本は以前はあまり外国人が訪れない国でした。これには物価が高いことや政府があまり訪日観光に力を入れていないことが大きな原因でした。
私も海外で外国人と会話をし、日本に来たことがあるかどうか尋ねると、決まってこのようなやり取りがありました。
「日本に行きたいけど、物価が高いから」
しかし、今やそんなことは過去のことになりました。円安の影響もありますが、日本は特定の物を除き、アジアの各国とあまり物価が変わらないような状況になっています。
特定の物とは、例えば国内の交通費です。まだまだ国内の交通費は内外価格差を感じます。
また、特定の食品。例えば果物なんて日本はバカ高いです。数千円中には1万円を超えるようなメロンなんて、海外ではちょっと考えられなかったりします。
ただ、外食に関しては、ランチタイムのお得感やチェーン店の価格などはすでに同レベルの飲食ではアジアの国々と肩を並べるか、むしろ安いぐらいかもしれません。
当然欧米などと比べると、日本はかなり割安感があります。
以前とは違って日本は旅行がしやすくなったのですが、それでもまだ人気になってそれほどの年月が経っていません。
多くの訪日外国人旅行客は、初めて日本へ訪れたり、せいぜい数回程度という感じです。
今後は、日本に訪れる外国人のリピーターが増えます。政府が2020年までに訪日外国人旅行客数の目標を倍増の4000万人としてのも確かな手応えがあるからでしょう。
そして、リピーターは別の場所に訪れたり、もっとディープな場所に訪れる場合が多くなります。
政府観光局もその点は、理解しているのか情報発信やプロモーションが多様化してきました。
ただ、マスコミや日本の航空会社は、まだまだ「東京その他の地方」という感覚が強いです。
そんな中、多くの外国人はSNSやネットの情報を利用して、全国各地の日本人があまり訪れないような場所にも訪れています。
海外の航空会社は、成田ではなく日本の地方港空港への就航を増やしています。もはや「東京その他の地方」という考えでなく、多様性のある交通、多様性のある情報発信が必要になっているかもしれません。