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東京は住みにくい? 住みやすさの世界都市ランキングの評価が分かれている

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組織・人事コンサルティング会社のマーサーは、「2016年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング」を発表しました。


オーストリアのウィーンが7年連続で最も生活環境の水準が高い都市に選ばれました。以下スイスのチューリッヒ、ニュジーランドのオークランドと続きます。

 

気になるのはやはり日本の都市の順位ですよね。日本では、東京が44位、神戸が46位、横浜が49位、大阪が58位にランクインしています。

 

でもこの順位「意外に低くね?」と感じる人も多いでしょう。日本の治安の良さは間違いないですし、生活水準もそれほど低くないように思います。

 

他の調査では、「もっと上位だったはず」なんて記憶のある人も多いでしょう。調査するところによって評価はかなり変わります。

 

いったいどのランキングを信用したら良いのか?世界の住みやすさのランキングについていろいろ調べてみました。

 

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世界生活環境調査‐都市ランキングにはどんな基準がある?

 

今回の結果は不本意だという人も多いと思います。なんといっても日本が一番住みやすいと思っている人が多いですからね。

 

治安や良くて安全だし、公共交通機関は発達している。食べ物は美味しいし、巨大な都市もありながら、自然も豊富にあるし。

 

そんな日本の都市がなぜこんなにも順位が低いのか?特に東京在住者は大きな疑問を持っていることでしょう。

 

2016年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキングは、組織・人事コンサルティング会社のマーサーが調査を行っています。

 

news.livedoor.com

 

マーサーがこのようなランキングを毎年実施しているのは、多国籍企業やその他の組織が、駐在員を海外に出向させる際の報酬を公平に決定する基準を提供するためです。

 

つまり、ランキング上位になるほど、住みやすいため、そこへ移る駐在員の負担も少ないということ。

 

そのため、報酬特に異動に伴う、インセンティブはそれほど高くなくても良いということ。

 

逆にランキングが下位になるほど、住みにくくなるため、そこへ移る駐在員の負担は大きくなります。

 

そうすると、報酬やインセンティブは高くないと「やってられない」ということになりますよね。

 

ちなみに最下位はイラクのバグダット。以下紛争地帯の都市がズラッと並びます。紛争の真っ只中で仕事となると、報酬やインセンティブが高くてもできれば行きたくないですよね。

 

ランキングを決定する要素には、39項目があります。

 

  1. 政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
  2. 経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
  3. 社会文化環境(メディアの利用、検閲、個人の自由の制限等)
  4. 健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
  5. 学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
  6. 公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
  7. レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
  8. 消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
  9. 住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
  10. 自然環境(気候、自然災害の記録)

 

39項目は、上記の1個のカテゴリーに分類されています。各々の項目は等しい割合で査定されるわけではなく、重要度のよってウェイト配分があります。

 

日本の諸都市は、治安や健康・衛生面はあまり問題はなさそうです。ただ、学校や教育は国際化に遅れているのは拒めません。

 

公共交通は悪く無いですが、混雑が激しいのはネックでしょう。住宅や消費財は昔ほど高くありません。

ただ、住宅に関しては狭いのはかなりポイントが低いのではないでしょうか。

 

また、自然環境も真夏になると猛暑ですし、地震が多いというのもマイナス要因でしょう。

 

調査自体が欧米人目線に偏りすぎという批判もありますが、ランキング上位を見ると納得してしまいます。

 

ちなみに、アジアの最上位はシンガポールの26位。主要な都市では、香港(中国)が70位、台北(台湾)が84位、上海(中国)が101位、北京(同)が118位なっています。

 

 

2016年の結果が悪いだけで過去は良いのでは?

 

2016世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキングでは、日本の諸都市の順位は良くないですが、過去は良かったのでは?という疑問を持つ人もいるでしょう。

 

過去の結果も調べてみました。

 

昨年2015年のランキングは、東京の44位が最高位で、以下神戸が47位、横浜が48位、大阪が58位となっています。

 

2014年の場合は、東京の43位が最高位で、以下神戸が47位、横浜が49位、大阪が57位となっています。

 

毎年ほとんど変わっていませんね。安定して50位前後をさまよっています。

 

 

他の住みやすい都市ランキングの結果は?

 

イギリスの経済誌「エコノミスト」を発行するエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた「世界で最も住みやすい都市ランキング」があります。

 

このランキングの2014年は、オーストラリアのメルボルンが1位で、2位がウィーン、3位がバンクーバになっています。

 

この調査はイギリス人の目線が色濃いですから、欧州も多いですが、オーストラリアやニュージーランドが多くランクインしています。

 

これは、イギリス連邦ということで、イギリス人にとっては馴染みがありますからね。

 

この調査では大阪が12位にランクインしています。意外な結果で当時話題になりましたね。

 

また、2015年のランキングでは、東京が15位。1位から3位までは2014年と変わりません。

 

 

モノクルの調査では東京が1位

 

イギリスを拠点にするライフスタイル系の「モノクル(Monocle」という雑誌があります。

 

モノクルが発表した2015年の住みやすい都市のランキングでは、東京が1位になっています。また、東京だけでなく福岡が12位、京都が14位。アジアでは香港も19位にランクインしています。

 

東京の評価としてモノクルは、

 

「ほかの都市は真似できないような環境を提供しており、文化、治安、グルメ、丁寧さ、全てを持ち合わせています。ロンドンやニューヨークにも見習ってほしい」と言及

 

いろんな住みやすい都市ランキングを見てきましたが、上位の都市はどちらかというとちょっと退屈かもしれない都市が並んでいます。

 

どの調査もそうですが、旅行に行って楽しいのではなく、実際に住んでみた評価ですから。

 

ただ、モノクルにはついては、かなりエンターテイメントの要素も取り入れいているように感じました。

 

「住めば都」という諺もありますから、どこでもどっしり長く住めば、それなりの魅力があるのでしょうが。