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近大マグロ全滅は本当? 水槽での完全養殖は難しいようす

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近大マグロ。世界で初めてクロマグロの完全養殖を成功させ、一躍有名になりました。大阪や銀座の近大マグロを食べられるレストランは、その美味しさから多くの人で連日にぎわっていますね。

 

その近大マグロですが、ネットでは衝撃的な文字がかけめぐりました。

 

それは「近大マグロ全滅!?」

 

字面だけだと、近大が手掛ける養殖のマグロがすべて死んで、レストランでもう近大マグロを食べることができないような印象を持つ人もいるでしょう。

 

 

結論的には、近畿大学のマグロの養殖は今後も続くし、レストランでも今まで通り近大マグロを食べることができます。

 

 

今回は近大マグロの全滅についての本当の事実についていろいろ調べてみました。

 

 

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水槽での完全養殖は難しい様子

 

今回話題になっている近大マグロ全滅というニュースは、2015年8月から富山県射水市の富山実験場で開始している水槽での完全養殖の研究の結果。


富山では直径10メートル、深さ3メートルの水槽を使い研究がなされたいました。しかし、水槽の壁に衝突して死ぬ稚魚が出て徐々にその数が減少。


さらにマグロは海水温の低下にも弱いため、水温が下がったことで死んだ稚魚も出てきました。


このような理由から、5日の時点では最後の1匹になり、近畿大学水産研究所は基礎データが十分とれたということで富山での飼育を終了。

 

ではこれで近大マグロは全滅したのでしょうか?

 

 

近畿大学水産研究所の実験場は和歌山・奄美・富山

 

近畿大学水産研究所の実験場は、富山の他には和歌山や奄美大島にあります。主力は大学にも近い和歌山。白浜の実験場をはじめ多くの実験場があります。

 

和歌山や奄美大島は海の養殖場です。今回のニュースになった富山は水槽での実験場。水槽での養殖の実験が上手くいけば、より低コストで多くのクロマグロを食べることができたかもしれないので残念です。

 

元々クロマグロの養殖は難しく、海の養殖でも壁にぶつける傾向はありました。それが水槽ですからね。やっぱり水槽での完全養殖は難しいとうことでしょう。

 

ただ和歌山や奄美では近大マグロは元気で泳いでいます。今後も変わらず大阪梅田や銀座のレストランで近大マグロを食べることはできます。

 

今回の報道ですが、ニュースソースによっては「水槽での完全養殖打ち切り 近大マグロ、富山実験場」と事実を客観的に伝える所もありました。

 

しかし、中には「近大 マグロの完全養殖打ち切り」なんて見出しを持ってくるニュースもありました。これ見出しだけだと近大マグロがなくなる?って思う人もいるでしょう。

 

確かに見出しは字数制限があります。ただ字数制限があっても“水槽での”という文字も入れれそうですけどね。記事を読まない人や読解力がない人は勝手に誤解をしそうです。

 

もしかして誤解を招いて欲しかったのかもね、意図的に。

 

 

クロマグロの完全養殖の価値

 

天然のクロマグロというと“海のダイヤ”といわれるように大変高価です。とても庶民が口にできるものではありません。ただ養殖によってまだ多くの人が口にできるようにはなっています。

 

ここでマグロの養殖について、日本だけがマグロの養殖をしているわけではありません。その多くは海外。特に地中海では日本向けとしてマグロの養殖が盛んに行われていいます。

 

ただ近大マグロのように「完全養殖」ではありません。完全養殖とは、養殖施設で人工孵化させ成魚に育てていきます。

 

一方普通の養殖、厳密には蓄養といわれるものは、稚魚を天然から捕獲して養殖します。蓄養の一番の問題は天然資源に大きな負担をかけます。

 

天然の稚魚を漁獲するためには、まき網漁などで行います。そのため幼魚から成魚まで網にかかってしまいます。そのため貴重なマグロの資源の減少が懸念されるわけです。

 

しかし、完全養殖の場合は稚魚を人工孵化させて育てるので、自然のマグロを乱獲するわけではありません。この完全養殖が軌道に乗ると自然界に負担をかけることなく、日本人が好物のトロやマグロが安定的に食べることができるようになります。

 

今回のような水槽での完全養殖なら、場所を選ばず多くの場所で養殖をできたわけですから残念です。今後の新たな研究に期待ですね。