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都心は自動車ではなく自転車の時代がやってくる!? オスロの交通規制が大胆すぎる 日本では?

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ノルウェーの首都オスロの市議会が発表した交通規制が大胆すぎると注目を集めています。

 

 

その規制とは、2019年までに「オスロ中心部約3㎞圏内への自家用車の乗り入れの全面禁止」。マイカーの乗り入れの全面禁止を先進国の首都の中心部でやるわけです。

 

なぜこのような交通規制の計画を打ち出したかというと、それは観光保護のため。温室効果ガスの排出量を5年以内に半減させ、さらに約10年後の2030年までに現在の水準の5%程度にするという壮大な挑戦。

 

つまり温室効果ガスの排出量を95%も減らすということ。すごいですね~びっくりしました。

 

 

今回はこのびっくりのニュースについていろいろ調べてみました。日本ではこのようなことができるのかも考えてみます。

 

 

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ノルウェーオスロで計画される大胆すぎる交通規制

 

まずはノルウェーの首都オスロで計画される大胆すぎる交通規制の概要をまとめておきます。

 

  • 2019年までにオスロ中心部約3㎞圏内への自家用車乗り入れ全面的禁止
  • バスやトラムなどの公共交通機関は運行される
  • 例外的に障害者の車両利用や店舗への商品搬入用車両は乗り入れが許される
  • 自転車専用レーンを60km増設
  • 電気自動車購入に対する補助金を創設
  • 公共交通機関に費やす予算を大幅増

 

上記のような政策を実施することによって、温室効果ガスの排出量を大幅に削減することが狙い。未来の地球のために今が多少不便になっても理想にむかうということでしょうか。

 

 

オスロだからできるのでは?という意見は

 

オスロというとノルウェーの首都ですが、確かにノルウェーの一人当たりのGDPは100819ドルと高く(日本の約3倍)先進国といえます。しかし、人口は約500万人で首都オスロでさえ約57万人と少なく経済規模が小さいため日本では同じようなことは無理じゃないかという考えもあるでしょう。

 

しかし、海外の諸都市は意外に不便です。東京や大阪のように網の目のように列車が運行されているわけではありません。そのため首都といえども日本人の感覚では車がなければとても生活できそうもないほど不便な状況です。

 

今回規制されるオスロ中心部では、オスロ市内にある57のショッピングモールのうち11施設がある。今まではおそらく車で通う人が多かったそれら11のショッピングモールに自家用車で通うことができなくなる。

 

これは日本以上に切実な問題です。日本の大都市、特に首都圏や関西圏ではしっかりとした交通網があります。ほんの数分待てばすぐに次の電車がやってくるような便利さは海外ではほとんど見られません。

 

生活者の視点でいえば、ノルウェーオスロで行う自家用車の全面乗り入れ禁止は、日本の首都東京で同じことをするより、はるかに不便を強いられることになります。でもオスロは決断したわけです。

 

 

日本では財界の反対が強そう

 

日本では同じような政策をするとなると、財界の反対が強くてとてもできないという意見も多いでしょう。確かに財界と政界は密接に関係していますし、トヨタのような巨大自動車メーカーは関連会社や下請けも含めると関係者だけでものすごい数です。

 

 

この関係者を敵に回して政治家が政策を実現することはかなり難しそうです。実際日本では、そのような巨大企業が喜びそうな政策が実現しているという感じですから。

 

例えば、国の財政が厳しくてもやっぱり巨額な予算がかかる高速道路の建設は前向きに推進します。でも票があまり獲得できないものに対する予算はすごく少ないような気がしますからね。

 

 

オスロの60kmにおよぶ自転車道の整備

 

オスロは中心部約3㎞圏内への自家用車乗り入れ全面的禁止のために自転車をもっと活用するように誘導しようとしています。

 

その一つとして60kmにおよぶ自転車道の整備をするわけですが、この数字は日本の状況と比較するとどうなんでしょう?

 

例えば東京では、平成23年末までに112kmの自転車走行空間が整備されていると東京都は胸をはります。

 


しかし、その内訳が問題です。まず44.4kmは河川敷等を利用した自転車道の整備になります。つまり多摩川や荒川の河川敷に代表されるような自転車道です。4割以上がこれらにあたります。


でも河川敷の自転車道も確かに有益なんですが、生活のために走る人もいますが、趣味として走るという人も多い。一般の人にとっては全く無縁という割合の方が多いでしょう。


また約59kmは、広い歩道における自転車走行空間。つまり歩道と自転車道と兼用されているものです。


でもこんな歩道と共用の場合、実際には自転車走行空間を歩行者が横一列で歩いているなんてことも珍しくありません。そもそも狭くて歩行者も自転車走行空間を歩きたくなる所も多いですしね。


ちなみに車道を活用した自転車レーンの整備はたったの8.7kmしかありません。ほんの少ししかない自転車レーンでさえ、車の駐車スペースになっていることさえ珍しい事ではありません。


一方オスロは“自転車道”を“60km”整備するわけですから日本と比べると、その予算のかけ方が全く違うわけです。

 

理想を追求するノルウェーオスロのように日本でも、いつかは同じようにできないものかと期待はします。