法改正で介護休業が取りやすくなるけど実態は? どうなる日本の高齢化
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2017年1月から法改正によって介護休業取得の条件が緩和されます。
今回の法改正によって、介護の必要性の度合いが比較的軽くても取得できるようになります。
また、介護休業は従来93日の範囲内に限って取得可能でしたが、複数回に分けて取得する事ができるようになります。
法改正によって、一応介護のための休業がしやすくなりますが、実態は問題が多いようです。
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日本は高齢者だらけに
日本の高齢者の割合が増え、現在は超高齢社会といわれています。
総人口に対して65歳以上の高齢者人口の比率を高齢化率といいますが、昨年の国の発表では、過去最高の26.7%に達しています。
高齢化率が21%を超えた社会を「超高齢社会」といわれますが、すでに日本はその数値を遥かに超えています。
しかも今後は、高齢化率がますます高くなってくるのです。
現在でも、4人に1人が高齢者ということなのですが、これからは高齢者だらけの社会が続くのです。
多くの高齢者は介護が必要
高齢者が何もなく元気で生活をしていけるのなら、それほど社会問題にはならないのですが、多くの高齢者は介護が必要な状態にあります。
1993年の推計で200万人だった要介護高齢者ですが、現在はどれくらいの数になっているかご存知ですか?
2年前の2014年8月末のデータですが、なんと約596万人にも達しています。
10年間で約3倍にもなっています。
要介護者の数は年々増え続け、今後はますます介護が必要な高齢者が増えてきます。
介護保険制度だけでは不十分
昔の日本では、高齢者の介護は家族がするのが当たり前の時代がありました。
地域によっては、まだまだ家族が介護するのが当たり前という場所もあるでしょう。
ただ、時代とともに核家族化などが進み、高齢者も激増したことから、2000年に介護保険制度が誕生しました。
介護保険制度は、従来の「家族の介護」から「高齢者を社会全体で支える」という制度になりました。制度上ではですが^^;
実態はどうかというと、介護保険だけではまかないきれないのが現状です。
これにはいろんな理由があります。
例えば、予算上の問題もそうです。介護保険制度では介護の必要性に応じて、要支援1から要介護5までのランクが定められています。
このランクによって、1ヶ月少しの自己負担で利用できる上限額が定められています。
要介護度が低ければ、それだけ使える上限額は低くなります。
比較的安価で利用できる特別養護老人ホームという通称「特養」は、現在要介護度3以上でないと入所できません。
さらに多くの特養は、入所のため長い順番待ちのような状態です。
要介護度が低ければ、金銭的にも介護は大変なのです。
より充実した老後を送るためには、できるだけ在宅で過ごすのが良いはずです。
誰だってそうですよな?住み慣れない施設に入って、他人に四六時中監視されて生活するより、住み慣れた自宅が良いはずです。
自宅で介護をするために、訪問介護や訪問看護を利用する方法があります。
しかし、現実には上限額も定められていいますし、訪問介護だけでなく、家族の介護が必要なのが現状です。
他人に頼らずに家族自身で親の介護をしたいという気持ちもあるでしょうし。
介護休業が取りやすくなったとはいうけど・・・
2017年の1月に法律が改正され、要介護度が比較的低い場合でも介護休業が取れるようになります。
また、従来は最長93日間の介護休業を1回だけ取れるという制度だったのですが、合計3回まで分割で介護休業を取得することが可能となります。
分割で介護休業を取れるとなると、例えば施設探しのために休業をし、施設に入居した後の世話という感じで有効に利用することができます。
その他、訪問介護の合間に時折家族が介護をすることで、手厚い介護が可能になります。
制度上は、一応介護休業が取りやすくなるのですが、実態はそう簡単にもいきそうにありません。
こちらの記事では、介護休業に関する「本音」と「建前」ということで、企業の内情が紹介されています。
日本の企業風土では、なかなか休むことが難しいですからね(・.・;)
介護休業ができないとなると、仕方なく会社を離れざるを得なくなり、「介護離職」という問題も日に日に大きくなってきています。
今後ますます増え続ける高齢者、そしてその介護。重大問題ですが、良い方向に行くのは前途多難です。