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高学歴看護師になりたい人が急増している理由 人気はずっと続く?

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4年制大学を卒業した「高学歴看護師」が急増しています。従来は「3K」と言われ敬遠されることもあった看護師ですが、最近は特に大学に進学し、看護師を目指す人が増えています。

その理由は、求人数が多く、年収が高いことが大きいですね。数多くの看護系大学が新設されたり、看護系学部が新設されています。

でも、この人気っていつまでも続くのでしょうか?せっかく取った国家資格が無駄にはならないのでしょうか?

 

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高学歴看護師が増えている理由

 

大学を卒業して看護師になる高学歴の看護師が増えていますが、その理由は何があるのでしょうか?

 

一般的な高校を卒業して、看護師になるには次のようなルートがあります。

 

  • 3年生の看護系の専門学校
  • 3年生の短大の看護系
  • 4年生の大学の看護系

 

このうち従来は、看護師というとその多くは専門学校や短大などへ入学してなるケースがほとんどでした。多くの人も看護師=高学歴というイメージはあまりないのではないでしょうか?

 

実際のデータでは、看護師の国家試験合格者に占める大卒者の割合は1999年にはわずか4.6%だったのが、2005年に14.8%、14年には29.7%に増え約3割が大卒という状況になっています。

 

www.nikkei.com

 

このように最近では4年制の大学を卒業して看護師になる人が急増しているのですが、何か理由はあるのでしょうか?

 

 

看護系の大学が増えている

 

まず看護系の大学や学部が増えているので、高学歴の看護師が増えているという事はあります。

 

news.livedoor.co

 

入学できる人数が増えて行きやすくなりますから、それだけ看護師を目指す人が増えているということにもつながります。

 

なぜ看護系の大学が増えているかというと、日本の急速な高齢化社会によって看護師が不足しているからです。

そのため1992年に新たな法律ができ、国が看護系の大学の整備を充実する必要があるとの指針を発表したことが、看護系大学を増やす流れとなりました。

 

昨年は、15大学の新設があり、今年も6大学が新設されることになります。少子化によって大学の入学者数が減る中で、この状況はとても異質ですね。

 

 

看護師の果たす役割が大きくなっている

 

看護師が果たす役割が大きくなっていることも見逃せません。看護師に求められる医療知識や技術などが高度化しています。

 

そのため、より専門的知識のある看護師が求められる社会的ニーズもあるわけです。

 

 

安定した職業を選ぶ女性が増加

 

男女平等が叫ばれる世の中ですが、まだまだ女性の給与水準は男性と比べて低いままです。

 

さらに、景気悪化の影響で、結婚をして旦那の給料だけで生活するというのも最近では難しくなってきました。

 

こういう状況では、学歴をつけてリストラの危険性がある、事務などの仕事に就くよりも、“手に職をつけて”安定した職業を選ぶという人が増えるのも当然かもしれません。

 

 

高い収入とやりがい

 

看護師の収入は、女性が一般的な会社に就職するのと比べてかなり高い水準になります。東京のような都市部では、1年目から年収500万円も超える例が見られます。

 

最近では、結婚適齢期の男性で年収500万円を超えるのも難しい状況です。30歳ぐらいで年収500万円程度を稼ぐ男性は、婚活サイトなどで人気になるような状況ですから。

 

高収入をえられるのなら、大学を卒業しても、その学費は決して惜しくはありませんからね。より良い待遇の病院へ行くためにも学歴はあったほうが良いという理由もあります。

 

以上のような理由で高学歴看護師が増えているのですが、果たしてこの人気はずっと続くのでしょうか?

 

 

看護師の人気はずっと続く? 看護師が余る時代は来る?

 

看護師の人気がこのまま続くかどうかは微妙なところですが、これだけ急激に大学を増えやすと、看護師が将来余る時代がやってくるのではないかという心配もあるでしょう。

 

たとえば医療の分野では歯科医が最近過剰になっているという現状があります。この背景には、1960年代、虫歯が急増したことで、歯学部がどんどん増設されたことがあります。

 

なんだか近年の看護系大学が増えていることとよく似ていますね。

 

ただ、最近では、虫歯予防の知識や商品が増えたため、虫歯の増加は落ち着きをみせています。しかし、大学の歯学部は減っていません。

 

歯科医を目指す人が多いのですが、患者は増えていませんから、需要より供給が大きいという状況です。そのため、ワーキングプアの歯科医がいたり、歯科医を廃業したりする人が増えています。

 

弁護士の世界でも同じような状況がありますね。これからは、訴訟が増えるため、弁護士を増やす必要があるということで、全国に多くの法科大学院が設立されました。

 

しかし、現実には弁護士余りの状況で、ワーキングプアの弁護士や廃業をする弁護士が増えています。

 

そのため、弁護士を目指す人が減り、法科大学院を廃止する大学も現れてきています。

 

では、看護師はどうなのでしょうか?高齢化なので、安泰というイメージはあるかもしれませんが、遠い将来はわかりません。

 

医療の進歩や、健康に気遣い病気を予防する人が増えれば、それほど患者が増えない可能性もあります。

 

現在のように急激に看護師が増えるような状況は、将来需要と供給のバランスが崩れる可能性はありえます。国も医療費抑制のための政策をとってくるでしょうし。

 

ただ、当面は看護師の人気は高いでしょうし、その他の職業と比べて女性がより、やりがいを持って働けることは間違いないのかもしれません。